2007.12.02 Sunday
労働分配率
会員企業約1300社に対し12月中旬に示す基本方針で、生産性の向上や団塊の世代の大量退職で余ったお金を、人件費として還元するよう求める。02年から続く景気拡大局面で、大企業を中心に過去最高の利益を更新する流れが鮮明となっているためだ。基本方針に基づき、賃上げに踏み切る企業が増えれば、企業から家計へと流れるお金が増え、日本の景気回復にプラスとなる効果が期待できる。
経団連内部で検討されている、経営労働政策委員会(経労委)報告の原案によると、「恒常的な生産性の向上に裏付けられた付加価値増加額の一部は、(従業員に支払う給与などの総額である)総人件費改定の原資にする」と明記する。
「総人件費改定」とは賃上げを意味し、その目的として「従業員の勤労意欲の向上」と「人材確保」を挙げている。
過去の基本方針では、05年春闘の「賃金水準の引き上げは困難」との内容から、06年には「いかなる決定を行うかは個別労使の自由」と、賃上げ容認とも受け取れる姿勢を出していた。ただ、07年の段階でも、「企業の好業績で得られた短期的な成果は、賞与・一時金に反映する」と記し、企業の利益が増えているのは短期・一時的なものとの姿勢が濃厚だった。
新光総合研究所の調査によると、東証1部上場企業のうち、08年3月期の経常利益が過去最高を更新する企業数は全体の3割を超える勢いだ。給料が高い団塊の世代の大量退職で、総人件費にゆとりが生まれる。さらに、優秀な人材を確保するために、新入社員の初任給を引き上げる動きが広がっている。
こうした情勢の変化を受け、経団連は賃上げへの積極姿勢に一歩踏み込むことにしたもので、労働組合側に追い風となる可能性がある。
業種によっては過去最高益を記録するなかで、労働分配率の上昇がないのが
労働組合のの懸案事項。
やはり働く者としては、企業業績も日本経済も賃金に反映しないと実感が
わかない。
大手鉄鋼メーカーやトヨタなどでは1千万、1千5百万を越える管理職も
いるとのことだ。役員においては億単位であることは言うまでもない。
300万円以下の労働者が50%近くいるなかで貧富の差というか格差は
ひろがる一方だ。
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