2008.04.12 Saturday
名ばかり管理職
ハンバーガーチェーン最大手、日本マクドナルドの埼玉県内の店長(46歳)が、「店長を管理監督者(管理職)として扱い、残業代を支払わないのは不当」として、2年間の未払い残業代や慰謝料など、約1350万円の支払いを同社に求め、東京地裁は、「同店長は管理職には当らない」として、日本マクドナルド社に対して、残業代など約750万円の支払いを命じた。
聞くところによるとマクドナルドの店長はアルバイトの採用の権限などある程度の人事権を有し、責任者としての実務を行っていたようだ。 一般企業の管理職という職にある人は自分の部署の採用等の人事権を有していないケースが多いの。ライン部長や課長などは異動や評価といった人事を取り扱っていることがあっても人員の採用などは人事部などのセクションが行い、人事権を持つケースが少ない。自分の部下の有給休暇や時間外の管理、人事査定くらいで人事権まで持っていないことが多い。 本来の時間外は下命が原則だが、きちっと『○○君、君は今日2時間残業をしなさい』などの下命を行っていることは少ないだろう。 ライン部長など以外の管理職は部下を持たないことも多く、労務管理に関与しないことに加えて、経営と同じ立場で判断することもないのが実態ではないだろうか。 管理監督者は勤務時間や休暇などの規定にしばられないことになっているが、管理職も多忙なので、朝の通勤ラッシュを避けて通勤したり、前日遅くまで残ったからと言って昼から出勤してくることが実態としてありえないことではないか。 そうしたことから考えると日本の管理職の多くは”名ばかり管理職”であり時間外手当のつかない、言わば”ホワイトカラーエグゼンプション”のような曖昧なものだと思う。 サービス残業の未支払いですが、東京電力69億、中部電力が65億、スタッフサービス53億、ミドリ電化37億、武富士35億、日本郵政公社32億、ビックカメラ30億、関西電力23億とあげればきりがない。大企業や名の通った企業が堂々と法律違反であるサービス残業を行っていたことがわかる。 サービス残業の実態を見れば、経営者が違法行為を行ってまで利益を追求する姿勢がうかがえる。 賞味期限切れや産地偽装の問題もひどいが、サービス残業をさせる企業の体質もひどい。 会社にとって、宝であるべき人材を過労死させるような企業は企業ではない。 人を殺してまで利益を追求するのが企業なのか? 社員・従業員が働きやすい環境を保つことで利益を増やすのが企業の 本来の姿だと思う。 超長時間労働で、疲れきった労働者を酷使し、過労死させる企業を私は企業として認めたくない。 そのような企業と取引している企業も取引停止をするなど社会全体が”過労死”やサービス残業などの法律違反を行う企業をしめだす風潮を作ることが重要だと思う。 |